自動車用のフィルムは、視認性を確保しながら直射日光からの熱を遮断する役割もあり、エアコン(特に冷気)の利きを良くする事や乗員のプライバシー確保にも一役買っている。日本の法律では、フロントガラスと運転席、助手席へのフィルム加工(貼り付け)は可視光線透過率70%以下のフィルムは禁止されているので、概ね、実際には後席部と背面のガラスへの施工と言う事になる。

自動車用フィルムの主な役割としては、断熱性能がありフィルムの色の濃さによって太陽光の透過率が変わってくる。当然の事ながら、色が濃い程プライバシーも紫外線(UV)、赤外線(IR)のカット率も高くなり、色が薄くなれば透過率等も下がる。最近では、無色透明のフィルムでも太陽光の透過率と紫外線カットが出来る製品が出てきており、フィルムの種類も多様化してきており、幅広いニーズのユーザーに受け入れられている。室内側からの視認性は快適に視界が確保されている。フィルム色のバリエーションも生産しているメーカーによってラインナップは様々で、ユーザーの好みを広く受け入れファッション性が高まり、フィルム自体の品質が高くなってきたとも言える。

フィルムの進化によってその用途も変化してきた。例えば、海外では300km/hで走行する場面が多く、飛び石等でフロントガラスが大破・破損するケースがある。そうした場合にガラスの飛散防止に役立つ。もう少し言えば、乗員の怪我を軽減する役割もある。もう一つ付け加えると、テロ対策等にも対応した防弾効果があるフィルムがある。要人を守る為の防護加工用の製品もある。また、ボディー全体をコーティングする様に貼り付け、傷等からボディを守るカーラッピングもフィルムの新しい形かも知れない。

最近では、自動車メーカーの発売する新型車のガラスに初めから色がつけてあり、フィルムを貼る必要が無い場合も往々にしてあるが、フィルム自体が進化した事によって、自動車の電装品やエアコンを効率良く稼動させ、自動車のエネルギー消費・消耗を軽減する事が出来るようになる等、まだまだその需要と可能性はは広がって行きそうです。